結論

このバッグはFidlock®という蓋のロック機構のために、使用にあたっては大変「気を遣う」(多くの場合イライラするような)ものとなっている。使用者に気を遣わせるようなカメラバッグは失敗作だと私は考える。

ありとあらゆる「~中」(「街中」「山中」あるいは「混雑中(人混みの)」などでもよい)に、このFidlock®は何かに引っかかることでその素晴らしいクイック・リリースの機能を発揮し、意図せずベルトが外れ、だらりと垂れ下がる。もちろん垂れ下がったベルトは他の何かに引っかかったりするが、気づかずにバッグを手元に引き寄せようと取っ手を持てば、ベルクロは「バリバリ」と音を立て、そのまま蓋が開いてバッグの中身をぶちまけてしまうのではないかという恐怖に駆られるのがストレスだ。しかしすでに取っ手を掴んでそこに重さが加わっているので、バッグを元の位置に戻そうとも、あるいはそのまま手前に引き寄せようとも、中をぶちまけてしまう恐怖はそのわずかな瞬間に現実のものとして襲ってくるのだ(もしあなたがベルクロを入念に押さえつける癖を持っているなら、多くの場合は大切なカメラやレンズをアスファルトの上にぶちまけることはないかもしれない)。
結論だ。TENBA MESSENGER DNA 15 Bagは、Fidlock®という思い付きのせいで、あろうことかとても気を遣うカメラバッグになってしまった。ありとあらゆるところが前モデルのMESSENGER BAGを凌駕する素晴らしい作りになっているが、多くの場面で蓋の留め具が勝手にクイック・リリースされてしまうことを頭に入れておいた方がよい。QuickAccess™という、メッセンジャーバッグにトップローディングの機能を持たせた素晴らしい仕組みが前のモデルに存在し、そしてDNAバッグにもその仕組みが継承されていることを忘れて、バッグの蓋を留めているベルトをクイック・リリースしたいという要求がどこにあったのだろうと考えてしまう。次のFidlock®(Fidlock2?)では、蓋を留めるベルトのリリース機構をダブルアクションにすることを提案する。前のモデルと同じクリップタイプに戻ってしまったとしても、それで十分だ。



というわけで海外レビューサイト(の和訳風:笑)に仕上げてみました。前モデルのTENBA MESSENGER BAG Largeは、マルチパワーバッテリーパックを取り付けていないカメラボディ(D700やD800EやD810)と共にニコンの大三元Gレンズをすべて持ち歩ける容量と、長時間の肩掛けでも重さを分散してくれる巨大な肩パッド、蓋に取り付けられたジッパーを開くことで大きく蓋を開くことなくクイックにカメラを取り出せるなど、非常に特徴のあるバッグで、おそらく一番長期間使用したカメラバッグです。
しかしニコンの大三元のうち2本がEレンズ化して、主に24-70mmf/2.8Eの鏡筒が太くなったために、TENBA MESSENGER BAG Largeに最新の大三元を入れて持ち歩くのは非常に難しくなっていました。
新しいカメラバッグについていくつかの候補はありましたが、やはりTENBA MESSENGER BAGの後継で、容量が現状より多くなるDNA15にしようということで、本家では$170-のところ、日本国内で正規流通品を¥24,000-で購入したのでした(この商品が個人輸入できるかどうか知りませんが、おそらく海外通販で安心できる輸送手段を使って送料込みだと同じくらいのコストになるでしょう。いいところ狙った価格設定です)。

結論は前述の通り、あのアホなマグネットリリースが無ければ100点満点がつけられるような出来です。前モデルのTENBA MESSENGER BAG Largeで困っていたところはことごとく改良されています。容量が増えた(前モデルは19L、DNA15は27L)ので当初の目的である新・大三元を持ち歩くのも可能です。具体的な改良点を紹介します。


前モデル。家の鍵をかけて、1分ほど歩くとD環がすぐにこうなる(笑)。使用上は全く影響がないものの、とにかくかっこ悪い。通勤カバン選びでも要注意のところですね。


DNA15。D環が転ばないように追加で縫いが入って改良されました。前モデルと同じ機材をもって50時間ほど歩きましたが全く問題なし。


前モデル。とにかくジッパーの金具の品質が悪い。普通ジッパーが壊れるというとスライダーやエレメント(ギザギザのところ)のトラブルが思いつきますが、前モデルのMESSENGER BAGでは引き手のほうが壊れます。このバッグでは複数の個所が次のような壊れ方をしました。
  1. 引き手をモールドしているプラスチック(ビニール系と思われる)が加水分解で劣化しバラバラになる 
  2. 金属の引き手が出てくるのでそのまま使っていると、引き手がスライダーからすっぽ抜けるようになる 
  3. それでも何とか使っていると、引き手のスライダーに引っ掛ける金属部分が割れて使用不能に(!)
それでもこのバッグを使いたいので、引き手が無くなってしまったところはカラビナをインシュロックで括り付けてある。引き手が必ず外れるようになったところは引き手をインシュロックで括り付けてある。これで引き手が捥げる心配はなくなりましたが、力の入る方向が適切でなくすごく開けにくくなってしまった。
なお、結構長いことジッパーの引き手の金具だけを探していましたが、ついに見つかりませんでした。そもそもセットなので単品販売無くて当然かも(笑)。


DNA15。紐に回帰。ベターチョイスです。おそらく前モデルは遊びがなさ過ぎて、ジッパーを開くときに力が一点集中するような作りだったのでしょうね。


前モデル。体に接する側が滑り止めになっていて、これはこれで便利なのですが、服がケバケバになって特に毛糸やフリース、最近多い化繊のTシャツなどは一発でアウトです。着るものを選んでいたのが難点。


DNA15。体に接する側も本体素材そのままになりました。前モデルと比較すると全体的にナイロン生地の糸が細くなり密度が増したためツルツル感が出てきており、服への攻撃性はかなり低下した印象です。


前モデル。外部にオープンポケットがなく、500mlペットボトルは手持ちか、または中に入れてレンズが濡れるか、みたいな選択を迫られるところですが、サバゲーやってタクティカルベストを着ていれば、前モデルのサイドにあるこのベルトがMOLLE(MOdular Lightweight Load-carrying Equipment)システムもどきというのはすぐに気づく。というわけでMOLLE対応ペットボトルパウチを取り付けて拡張していた次第。ベルトのピッチはMOLLEシステム互換でも何でもないし、引っ張りまわすと千切れるかもしれないが、たいていの互換パウチは取り付け可能だったはず。そう、ハンドガンホルスターでさえも取り付けて良いだろう(意味不明)。

DNA15は製品写真見ればオープンポケットがあるのは分かるので写真省略。

その他、DNA15ではSecurity Strapとして説明されている、バッグを背中に背負う形で固定できる細紐がついています。おそらく自転車に乗っているときにバッグが体が離れないようにするためのものですが、トレッキング時にも極めて有効です。前モデルでは斜め掛けにしてもトレッキングではバッグに体が振られることが多かったので。
また大三元Eと共にLavie Z(11インチ)を入れて持ち歩けることを確認してます。最近のタブレットやSurfaceなどでも余裕でしょう。
蓋についている小物入れは、前モデルではカメラバッテリーくらいしか入れられませんでしたが、DNA15はカメラバッテリーに加えてレンズフィルタが2,3枚ほど入れられます。しかし前モデルであったバッグの蓋を開けたところにあった横幅いっぱいを使ったジッパー付き小物入れは廃止されているので、レンズフィルターをたくさん持ち歩く場合は困ったことになるでしょう。小物収納ができるポケットは全体としてやや減っているかもしれません。
バッグ本体外側(体側)のジッパー付きポケットは前モデルと同じサイズ感で、観光地パンフレットとか入場券を放り込む用途にしか使えません。


というわけで、だいぶ使いやすくなったDNA15ですが、本当にFidlock®さえなければなぁという感じです。ご参考までに。

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