17年使用したHUMANの19インチ20Uショートデプスラックが手狭になってきたので、19インチラックを入れ替えてサーバーケースも新調することに。
日本だけに存在していた「個人向けエンタープライズ市場」が消滅してほぼ10年くらい経過しているのでネット上での情報も少なくなり、個人ではメインストリームPCのリソースを使い切るのも難しい状況において、今更個人で19インチラック導入に夢を抱く人もいないでしょうが、もし奇特な方がいれば参考にしていただければと。

ラック、その前に

といっても仕事でいつも手配してるようなH=2300mm、47Uとかのラックは普通に奥行きD=1000mmとか場合によってはD=1200mmあたりに達する製品になり、一般家庭ではなかなか取り回しが難しいかと思います(試しに家の中で幅W=600mm、奥行きD=1000mmの家具があるか探してみるといい)。
ホームセンターで売ってるふにゃふにゃなメタルラックと同じ程度の考え方で19インチラックを検討するのは間違いのもとです。考慮するべき点は以下のような事項になります:

  • 30Uを超えるラックはフレームだけでも単品重量が100㎏を超え、1台当たり15㎏は余裕で超えてくるラックマウントサーバやタワー型PCを調子に乗って積んでしまうとラック総重量はあっという間に300㎏くらいになり、木造家屋では長期的な耐荷重は大丈夫かいなという観点から設置できるかどうかが怪しくなります。マンションではコンクリなので、この点は問題ないです。
  • キャスター付きラックの場合、床面の養生をどうするかは重要です。フローリング直置きだと1年くらいで床材が上から押されるせいで継ぎ目あたりから木材が跳ね上がってバッキバキになります。これはフローリング上でキャスター付きの椅子を使って失敗した人は良くご存じでしょう。荷重によってはホームセンターで売っている厚めのタイルカーペットで何とかなったりしますが、何が何でも床を傷つけたくなければオフィス床でよく使用されている、50cm角で1枚5㎏くらいある表面にカーペットが貼られたスチールパネルを床に敷き詰めてからその上にラックを載せるという方法もあります。
  • 背の高いラックは転倒防止措置が必須です。転倒防止というと地震のことを考えがちですが、実は15~35㎏くらいあるラックサーバを手前に引き出して抜くときが問題です。おそらく手が疲れて一時的にラックマウントレールにその重さを任せようとするでしょう。その時ラックの重心が崩れて固定されていないラックが手前に倒れてくるわけです。仕事ではコンクリートにアンカーボルト打ってラックを固定するか、スタビライザーと呼ばれるL型の底面プレートを展開して、ラックが転倒する角度まで傾くことを防止します。背の低いラックではこの処置が不要なこともあります。
  • ラックを背面アクセス出来ない置き方(ラック背面を壁にベタ付け)にする場合は、サーバーをラックから引き抜いて床に置くまでサーバーからケーブルを抜くのが困難な場合があります。ケーブルがどこからどこにつながっているかに依存しますが、このような設置環境では、サーバーに接続されているすべてのケーブルは3m以上の長さが必要です。例えば、高さ1000mm付近にあるラックサーバをD=1000mm程度引き抜いて床におろす場合、単純計算ですでに2mのケーブル長が必要になります。ラック背面にアクセスできるなら、ケーブルを抜いてからサーバーをラックダウンさせればいいので問題ないですね。
  • ラックにPCを積み上げたらそもそも受電がやばいのではないのかとか。それはともかくラック内に設置するコンセントタップは15口くらいが最低ラインになると思います(!?)。
  • と、蘊蓄を垂れてきたわけですが、実際手配しようとすると背の高いものは個人向けに売ってくれないことがほとんどです(笑)。調べた限りでは耐荷重100kgと異常に少なくて27UまでサポートするRAC-SV18UNが最も背の高いラックになります。今回はいくつかの理由からこの製品にしました。奥行きはラックマウントレールが取り付けられる程度でできるだけ短いものとなるとD=800mm以上が前提になります。
  • もう一つ、これも仕事で泣かされてきたところではありますが、EIA19インチラック規格は左右のねじ留め位置の幅が465±1.5mmだということと、1U=44.45mmということ以外は実質何も決めてない状態といえます。特にラックマウント対応PCケース側は雰囲気で作ってるようなところが見受けられるので、資金力、調査力、アイデア力と諦め力(?)が必要になります。ミニマムコストで大量のPCを限られたスペースに大量に設置したいという向きには、ホームセンターのメタルラック+普通のタワー型PCケースで整理する方をお薦めします。雰囲気組の方は、hp、DELL、NEC、富士通当たりの5年リース落ち中古ラックサーバを大量に買い込んだほうがデザインも格好よく、機能性も高いのでお勧めです(増設パーツに対するベンダーロックが存在するので、これはこれで調査力を試されますが)。

で。


御託は良いんで最後どうなったかというと、このようになりました。この後、背面の整線をもう少しましにしてあります。
DataCenter3.0思想に基づき、L2SWを物理的にもTOR(Top Of Rack)に配置、そこからLANケーブルを下に落とす配置にしてあります。このL2SWはいつの日か10GのL2SWに交換になるはず。
その下の1Uが3.5″×4のホットスワップケージに対応した1Uケース、さらにその下が2.5″×10のホットスワップケージに対応した1Uケースで、どちらもストレージシャーシを使いました。上の方は録画サーバで512GB SSDと6TBのHDDが4発入っています。下の方は仮想環境サーバで余りものの256GB以上のSSDが何本かと、1TBのHDDが何本か入っています。
ラックマウントディスプレイの奥にあるレーザープリンタ(500W)はのせたままなので、スペース的にはあと4Uくらいは使える感じですが家庭内では電力的にもこんなあたりが限界と思います。一番上のラックマウントサーバが450W、その次も450W、下に2台あるタワーPCの左側が850W、右側が600W(後で1000Wに変更)となります。全部フルパワーで動けば3250W程度で、あとでEPYC64C/128Tの4Uサーバでも来ようものなら(!?)プラス1300Wで4500Wクラスのラックが完成となります。
最近のPCは高性能なので、このラックの半分程度も埋まればそこそこの演算能力でしょうね。GPGPUを足してよいなら少なくとも10TFLOPS以上くらいの演算能力はあるはずなので「京」ならぬ「兆」くらいか。

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