聖地巡礼が記事になる時代。

現代文学はゴミだと罵り、古代から近代までの600冊の本をノンジャンルで読み漁った僕は、古人の代表的な記憶を刻み込んでニ十数世紀分の知識を数年の間に蓄えたことになる。文章だけでものを伝えるというのは、情報の嵐に放り込まれた現代人にはもう無理なんだろうなと思いつつ、純文学の写実的な心象風景を纏ったまま、アニメの世界へ本格的に足を踏み入れたのが数年前だ。


見方は人それぞれだろうが、そんなアニメの中に旅情を誘う作品があるのは確かだ。記事にもなっているおねてぃやおね2なんかは、その際たるものであって、結構単純な思考から海ノ口駅を訪れたいと思うようになるはずだ。
もしおねてぃとおね2を見たのに、作品の舞台となった海ノ口駅を訪れたいと考えたことの無いあなたは、とても即物的であるか、または表面的な観点でしかこの作品を楽しんでいないことになる(多くの場合、このような感じ方しかしない人間は、アニメファンとはいえないだろう。他のアニメファンと話をしても、話が合わないはずだ)。日本人であれば、キャラクターが一切存在しなくても、あの風景が映し出されただけで涙が出るほど懐かしく暖かいものを感じるはずだ。この作品はそのように作られている。

この一年くらいは、かつてほどに旅情を誘うような風景を書くアニメ作品は見なくなった。どちらかというと今年度は派手さを重視した作品が多かった気がする。単純明快なアニメほど熱しやすく冷め易いものだ。2004年度のアニメは全般的に不作だったといえよう。
TV版のAIRなどはとてもよく出来ているが、もともとこの作品はゲームをやっていない人間は見る価値のないものだ。もう少し言うと、ゲームをやって共感できなかったやつは見るなということである(確かに、製作者はゲームを見てない人でも楽しめるとは一言も言っていない)。こんな特定向けのアニメはバイアスがかかりまくりだから、選から漏れる。そもそもkeyの作品は既にカルト化しており、批判することはほとんど不可能に近い。神の言葉のようなものだ。
さて、残った中で旅情を誘う作品があっただろうか。美鳥の日々なんかはOPがとても印象的だったが、タイガースの延長のせいで13話中8話を落とし、既にストーリーがわからない(笑)。
これ以外に何かあったら是非コメントが欲しい。

参考までに、2003年度は下地島だった。今年の夏は絶対に行こう。

3 thoughts on “聖地

  1. ここ最近(2003~)の聖地の分かるアニメといえば

    うたかた:鎌倉
    げんしけん;中央大学、秋葉原
    美鳥の日々:湘南
    北へ。:北海道
    ROD:神保町
    君望:神奈川?

    こんなものですか。うたかたは結構風景を書いていたと思いますが、作品自体が失敗していると思われ。そのため印象的な場所もないです。

    行きたい場所は?
    そうですね…。海が見える丘とか、世界三大夜景の1つである某夜景なんか見たら、多分泣けます。

    個人的には、聖地巡礼してから、アニメ見るほうが、10倍引き込まれるので、聖地化後の巡礼もいいですが、聖地予定地を先に訪れていたいものであります。

  2. まぁ、上記に挙げてもらったのを見る限り、04年度の作品では03年度の下地島を越えるものは見当たらないですね。
    北へ。はオムニバスな分、聖地分割(笑)がかかりそうだし。夜景とDDD同時観賞は難しそうだし。
    というか北海道って言ったら最彼が02年度の次点くらいだから一緒に行ってもいいかな。

    うたかたまだ見てない。
    げんしけんは母校と地元だから(笑)思い入れがまるでないし、
    君望はアニメがどうしようもなく失敗作になってるのであんまり丘の風景以外でてこないし。
    むしろ今の家の方が丘の上から海を臨んでいるのでよっぽど風景的には近いんだけど。

  3. アニメでなければ神戸が聖地な作品を思い出すのだけれど、それはまた別の話。

    上にリストアップした中では、下地島は越えてないと思います。はい。

    最彼って北海道だったのですか?これは漫画見て、アニメは切っていたので、知りませんでした(漫画も北海道だったかもしれないけど、すでに記憶から削除済み)。

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